おぢさんのつぶやき -山崎篤史ー

とうとう50代突入してしまいました。白髪が増えてきたおぢさんですが、たまに書き込もうかなぁと思います。

「与えて忘れ、受けて忘れない」渋沢と利他で働き方を変える

スポンサーリンク

与えて忘れ、受けて忘れない

仕事を強くする“静かな作法”

 

 

1|評価は、静かな作法から生まれます

「与えて忘れ、受けて忘れない」。
この一行は、働き方の姿勢を整えます。
自分の親切は覚えない。
もらった親切は忘れない。

忙しいほど、逆をやりがちです。
自分の苦労は覚えておきたい。
他人の助けは流しがちです。
それでは信頼が育ちません。

今日は、この作法を現場のやり方に落とします。
難しい理屈は使いません。
必要なのは、三つの習慣だけです。
明日から動ける形でお渡しします。

 

 

2|「ギブは損」だと思っていませんか

与えると、損をする気がします。
時間も手間も取られます。
締切が近いと、なおさらです。
先に自分を守りたくなります。

けれど、仕事は長距離走です。
人は「自分にしてくれたこと」を覚えます。
感謝は静かに広がり、戻ってきます。
ただし、やり方が大切です。

無理な自己犠牲は続きません。
善意は仕組みで守る必要があります。
仕組みがあれば、疲れずに与えられます
ここからが本題です。

 

 

3|結論の先出し──やることは三つだけ

一つめ。
記録です。
受けた親切を、短い言葉で残します。

二つめ。
設計です。
仕事の入口と渡し方をそろえます。

三つめ。
分配です。
称賛、機会、功績を、公に手渡します。

この三つで、
「与えて忘れ、受けて忘れない」が回り出します。
作法が、成果の土台になります。

 

 

4|解決策①:記録──受けた恩は一行で固定する

覚えるのは、もらった助けです。
気持ちではなく、事実で残します。
一日一行で十分です。

書き方は、これだけです。
「○○さんの△△で、□□が進んだ。
ありがとうございます。」
名前と行為と効果。

毎週一度だけ、三件見直します。
返信が速かった。
要点が明確だった。
段取りが整っていた。

月に一度は、公の場で伝えます。
朝礼や1on1で、名前を挙げます。
短く、具体的に、今言います。
言葉が、次の助けを呼びます。

記録は、忙しい日の戻り先です。
習慣にすると、姿勢がぶれません。
「受けて忘れない」が、地に足がつきます。

 

 

5|解決策②:設計──善意が詰まらない段取りにする

善意だけでは回りません。
仕事は、締切と仕様で動きます。
入口と渡し方を揃えます。

依頼は三点セットです。
「締切」「粒度」「判断基準」。
終わりの姿を一行で示します。
迷いが消え、手戻りが減ります。

成果は小さく早く渡します。
十分快の試作品で方向を合わせます。
完璧より先に輪郭です。
すり合わせで、質が上がります。

助け合いの地図を作ります。
誰が何を得意か、見える場所に置きます。
メモ帳でも、スプレッドシートでも構いません。
頼る先が、すぐ分かります。

設計の狙いはシンプルです。
自己犠牲で燃え尽きないこと。
配り方を整え、善意を続けること
それが、現場を軽くします。

 

 

6|解決策③:分配──称賛・機会・功績を公に渡す

称賛は、最小コストの分配です。
それなのに、忘れられがちです。
ここを習慣にします。

褒め方は三つの型で。
具体・即時・公です。
「事実→影響→感謝」の順に一分で。
名前を入れ、その場で言います。

次に、機会の分配です。
縁の下で支えた人に、次のチャンスを渡します。
地味な貢献が報われます。
場の空気が整います。

最後は、功績の分配です。
議事録と資料に名前を刻みます。
登壇や露出の順番でも返します。
「やってよかった」が根づきます。

称賛、機会、功績。
この三つで、与える人は疲れません。
「与えて忘れる」が、現実の行動になります。

 

 

7|古い知恵を今の現場に合わせる

迷ったら、短い約束に戻ります。
嘘をつかない。
時間を守る。
礼を尽くす。

運用は、道具で支えます。
依頼の最低情報を固定します。
同時進行の上限を決めます。
レビューの間隔をそろえます。

自分の立ち位置も点検します。
今の自分は、与える側か。
釣り合いを取りすぎていないか。
受け取りに傾きすぎていないか。

フレームは杖です。
歩くのは、あなたです。
杖があると、遠くへ行けます。
逸れても、戻れます。

 

 

8|三人の背中

渋沢栄一
道徳と利益は両立できると言いました。
「と」で結ぶから、力になります。
正しさと稼ぎは、車の両輪です。

アダム・グラント
与える人は、やり方が肝心だと説きます。
入口をそろえ、負荷を分け、言葉に残す。
それで、長く伸びます。

稲盛和夫
利他は理想ではなく、働かせる原理です。
評価にのせて運用します。
人は伸び、場は強くなります。

 

 

9|落とし穴と回避策

自分のギブは覚えない。
これは意識して手放します。
誇りは残し、期待は消します。

感謝は主観で書かない。
事実で短く残します。
だから、続けられます。

称賛を一対一で終わらせない。
可能なら、公で渡します。
空気が変わります。

完璧を一発で狙わない。
小さく早く出して、すり合わせます。
再仕事が減ります。

 

 

10|テンプレ(そのまま使えます)

感謝の一行
「○○さんの△△で、□□が進みました。
ありがとうございます。」

依頼の三点
「締切:○日○時。
粒度:A4一枚。
基準:▲▲が満たされていること。」

称賛の一分
「○○さんの△△は□□に効きました。
その結果、××が早まりました。
ありがとう。」

 

 

11|静かな習慣が、成果を支える

要点は一つです。
「与えて忘れ、受けて忘れない」。
この非対称が、信頼を厚くします。

理由は簡単です。
人は、自分にしてくれたことを覚えます。
感謝は、静かに伝わります。
善意は、設計で続きます。

やることは三つです。
記録・設計・分配
ここから始めれば、場は変わります。
結果も付いてきます。

最後に、お願いです。
今日、感謝を一行だけ書いてください。
明日、十分快のギブを一つ置いてください。
それだけで、流れは変わります。

静かな作法が、あなたの仕事を強くします。
背中は言葉より雄弁です。
その背中が、周りの姿勢を整えます。