おぢさんのつぶやき -山崎篤史ー

とうとう50代突入してしまいました。白髪が増えてきたおぢさんですが、たまに書き込もうかなぁと思います。

変革は一瞬の視線移動から──マードック流「アンセルフィング」で自己成長を加速

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何もかもが変わっていく瞬間があります。

今まで嘆いていたことが

突然どうでもいいことに思えてくるのです。

- アイリス・マードック -

 

 

気持ちは一瞬で切り替わります

心が重い日ってありますよね。
でも、ある瞬間にふっと軽くなることもあります。
アイリス・マードックは、それを「外に目を向けたから」と言いました。

大事なのはコツです。
今日は、そのコツを「だれでもできる手順」にしてお伝えします。

 

 

いま何が起きているのか

忙しいのに、進んでいる感じがしない。
これは「注意」がバラバラになっているサインです。

通知が鳴る。
メールが気になる。
気づけば、頭の中で同じことを何度も考えてしまう。
これを「反芻(はんすう)」と呼びます。

反芻が増えると、怒りや不安が強くなります。
そして「自分」に意識がこもります。
この状態では、判断も人間関係もうまく回りません。

 

 

解決の核──“外に目を向ける”

マードックの答えはシンプルです。
「自分の中」から「外の事実」へ。
視線を、すっと移すだけです。

たとえば、窓の外の空。
机の上の紙の手触り。
相手の声の高さや、言葉の順番。
外の情報に注意を置くと、気持ちは自然に整います。

この切り替えを、ここでは“外向きの注意”と呼びます。
コツは「小さく」「回数多く」。
一回で変えようとしないこと。

 

 

今日からできる3つの手順

① 朝の30秒リセット

  • 窓の外を30秒見る。

  • 見るポイントを一つだけ決める(雲の形、葉のゆれ、光)。

  • 息をゆっくり三回。

これで「外向きの注意」を起動します。
朝の最初が効果的です。

② If-Then(もし〜なら、こうする)

心が乱れた時の合図を先に決めます。

  • もし声が上ずったら、図やメモを10秒読む

  • もし“あの人が…”と心で言ったら、事実を1行書く

  • もし返信が怖いなら、1分だけ下書き

合図と行動をセットにしておくと、迷いません。

③ 夜の3行メモ

  • 今日、外に目を向けられた瞬間。

  • その直後に小さくなった悩み。

  • 明日、何に注意を置くか。

3行で十分です。
続けるほど、反芻は減ります。

 

 

仕事の場面での使い方

会議

意見がぶつかったら、相手の資料の注記を黙って読みます。
「自分の主張」から「書かれている事実」へ。
空気が落ち着き、話が前に進みます。

企画の決め方

好き嫌いではなく、軸を決めます。
「顧客価値」「実現のしやすさ」「学びの大きさ」「撤退のしやすさ」。
各5点で静かに採点。
合計が高い案を選ぶ。
面子ではなく成果に目を向けられます。

対人ストレス

イラっとしたら、心の中で**“なぜ?”を一回だけ**。
「なぜ私は怒った?」
多くは、期限や基準が曖昧なだけです。
曖昧なら、決め直せばいい。
相手の人格の問題にしないのがコツです。

 

 

よくあるつまずきと対処

Q. 忙しくて30秒もとれません。
A. 移動のエレベーター内でOKです。
扉の「開」と「閉」の光だけを見る。
それで十分。

Q. If-Thenを忘れます。
A. デスクに小さなメモを貼ってください。
「声↑ → 図を見る」「“あの人が”→ 事実1行」。
視界に入れば、思い出せます。

Q. 夜の3行が続きません。
A. 1行でもOKにしましょう。
続いた日だけカレンダーに丸をつける。
ごほうび感覚が効きます。

 

 

1週間のミニ計画(テンプレ)

  • :朝30秒リセットを必ずやる。

  • :会議で“注記を読む”を試す。

  • :メール返信は「1分下書き」から始める。

  • :お昼に外を10秒見る。

  • :週の学びを1行まとめる。

  • :30分散歩。見えた色を5つメモ。

  • :3行メモだけで終わりにする。

無理のないペースが大切です。
「小さく」「回数多く」。

 

 

ミニ事例

事例1:営業のMさん
値引き交渉で苛立ち。
声が上ずった瞬間、カタログの仕様欄を黙読。
先方の「本当に欲しい機能」に話を戻せた。
結論は据え置き、代わりに導入サポートで合意。

事例2:企画のYさん
二案で迷う。
4つの軸で各5点採点。
学びが大きい案を選ぶ。
上司の意見とは違ったが、筋が通るため承認。

事例3:管理職のKさん
部下の遅刻にイライラ。
“なぜ”を一回。
「遅刻=軽視された」という解釈が原因と気づく。
ルールと理由を共有し、再発が減る。

 

 

ここだけ押さえれば十分(要点3つ)

  1. 外に目を向ける
     自分の中の反芻から離れる。

  2. 合図と行動をセットにする。
     If-Thenで迷いを無くす。

  3. 小さく続ける
     朝30秒、夜3行。
     これだけで変わります。

 

 

まとめ──注意はあなたの主権です

仕事のやり方は、すぐには変えられません。
でも、注意の置き方は、今すぐ変えられます。

注意を外に向ける。
合図と行動を決める。
小さく続ける。

これで、気持ちは静かに整い、成果はじわっと伸びます。
「何もかもが変わる瞬間」は、待つものではありません。
あなたが迎えに行くものです。