おぢさんのつぶやき -山崎篤史ー

とうとう50代突入してしまいました。白髪が増えてきたおぢさんですが、たまに書き込もうかなぁと思います。

明日は明日の風が吹く―忌野清志郎が教える「今日を生き切る」生き方

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明日は明日の風が吹くんだ。明日の風には誰も逆らえないぜ。今日を生きるしかないだろう。明日も生きてるとは限らないしな。』

忌野清志郎が遺した、生き方の羅針盤

 

 

1. 風の匂いを感じたことはありますか

夏の夕暮れ、湿った風が頬をなでる。
その瞬間に「あ、明日の天気は変わるな」と感じたことはありませんか。

風には、目には見えないけれど、確かに“予感”があります。
しかし、その予感に私たちは抗うことができない。
それが自然であり、人生でも同じだと教えてくれたのが忌野清志郎です。

彼が残した言葉――
明日は明日の風が吹くんだ。明日の風には誰も逆らえないぜ。今日を生きるしかないだろう。明日も生きてるとは限らないしな。」

軽やかに聞こえて、その奥に死生観が宿る。
この言葉は、彼が生涯をかけて証明した生き方そのものです。

 

 

2. 時代背景と彼の登場

1970年代、日本は高度経済成長の熱気から、オイルショックや公害問題という陰りの時代へと移行していました。
学生運動は下火になり、若者文化は商業化されていく。

そんな中、RCサクセションはブルースとロックを武器に東京・吉祥寺から登場します。
清志郎の歌声は、湿った空気を切り裂くようにシャープで、しかもどこか甘い。

例えば1972年の『僕の好きな先生』。
「このごろはやりの女の子 ぼくのせんせい」――
教室の片隅から飛び出す、型破りな愛とユーモア。
当時の音楽界では異質な存在でした。

 

 

3. 「明日の風」と病との対峙

2006年7月、清志郎喉頭がんを公表します。
報道の翌日、スポーツ紙の一面にはサングラス姿で笑う彼の写真。
「負けないよ」とコメントを残し、ファンを安心させました。

闘病中も彼は創作を続けました。
復帰ライブで歌った『雨上がりの夜空に』は、より一層切なく、力強かった。

雨上がりの夜空に輝く星ひとつ
涙のあとからまた笑えるように

この歌詞は、ただの恋愛ソングではなく、生きることそのものへの讃歌に聞こえました。

 

 

4. 歌詞に込められた「今を生きる」

清志郎の作品には「明日のことを案じすぎない」というテーマが繰り返し現れます。

トランジスタ・ラジオ』では、

ラジオから流れる声に 胸が高鳴る
明日のことなど考えずに

『スローバラード』では、

こんな夜におまえに乗れないなんて
こんな夜に発車できないなんて

どちらも、未来の計算よりも、その瞬間の感情を優先する世界観です。
彼にとって「今この瞬間」は、永遠よりも価値のある宝物でした。

 

 

5. 明日が保証されない時代に

2000年代、日本は経済停滞と社会の不安定さの中にありました。
若年層の非正規雇用は増え、先行き不安は常態化。
そんな時代に「今日を生きろ」と歌う清志郎の声は、単なるロックの叫びではなく、現実への処方箋のように響きました。

ライブ会場では、スーツ姿のサラリーマンが涙ぐむ光景も珍しくありませんでした。
彼らはわかっていたのです。
“明日の風”がどんな向きに吹くかは、誰にも読めないことを。

 

 

6. 彼が示した「今日の使い方」

清志郎は、日常のささいな遊びにも本気でした。
自転車で街を走り抜けるのが大好きで、治療中も時間を見つけてはペダルを踏みました。
ファッションも派手で、ステージ衣装のまま街を歩くこともあった。

これは単なる目立ちたがりではありません。
「やりたいことを、やれるうちにやる」――その信念の表れでした。

 

 

7. ライブでの言葉 ― 観客が共有した瞬間

晩年の武道館ライブ。
彼はステージの真ん中に立ち、ギターを抱えてこう言いました。

「明日も会えるとは限らないけど、今日会えたことがうれしいんだ。」

その一言で、2万人の観客が立ち尽くしました。
照明が柔らかく会場を包み、観客の頬を涙が伝う。
アンコールの『イマジン』では、会場中が静かに口ずさんでいました。

 

 

8. 「今日を生きる」ための実践

清志郎の哲学を日常に落とし込むなら、次の3つです。

  1. やりたいことを即行動
    後回しにしない。時間は有限。

  2. 小さな喜びを全力で味わう
    音楽、食事、会話――日常の中に喜びを見つける。

  3. 人に感謝を伝える
    明日は言えないかもしれないから、今日伝える。

 

9. 最期の春と、残されたメッセージ

2009年5月2日、忌野清志郎はこの世を去りました。
葬儀には関係者やファンが2万人以上集まり、青空に風船が舞いました。

遺影の清志郎は、あのいたずらっぽい笑顔を浮かべていました。
まるで「ちゃんと今日を生きてるか?」と問いかけてくるように。

 

10. 結論 ― 明日の風を恐れない

明日の風は誰にも読めない。
逆らうこともできない。

だからこそ、今日の風を胸いっぱいに吸い込む。
その風が追い風でも向かい風でも、今立っている場所で踏み出すしかない。

忌野清志郎の言葉は、そんな生き方の背中を押し続けています。

「明日を恐れるより、今日を面白くしよう。」
これが、彼から私たちへの最後のラブソングなのかもしれません。