
人生楽ありゃ苦もあるさ
山あり谷ありを味方につける生き方
1.「人生楽ありゃ苦もあるさ」
「人生楽ありゃ苦もあるさ」。
この言葉を聞いたとき、どんな顔が思い浮かびますか?
力強く笑い飛ばす人もいれば、ため息をつきながら呟く人もいるでしょう。
でも、この一言ほど人生をシンプルに言い当てた言葉はありません。
松下幸之助も、「失敗のない人生は、成功のない人生」と語りました。
大河ドラマ『水戸黄門』の主題歌にも歌われたこのフレーズは、時代を越えて日本人の心に沁み込んでいます。
なぜなら、誰もが心の奥でわかっているからです。
楽しい時期ばかりは続かない。
けれど、苦しい時期もずっとは続かない。
問題は、「その波にどう向き合うか」なのです。
今日は、楽と苦をどう自分の味方に変えていくかを、歴史や偉人の言葉を交えてお話しします。
2. 人生は順風満帆ではない
人生は順風満帆ではありません。
仕事がうまくいくときもあれば、思いもよらないトラブルに見舞われるときもある。
あなたもこう思ったことがありませんか?
「なぜ、今こんなに大変な思いをしなきゃいけないんだろう」と。
しかし、統計的にも面白い事実があります。
ハーバード大学の研究によれば、逆境を乗り越えた人ほど幸福度が高い傾向にあるそうです。
理由は明快です。
苦しみを経験した人は、ほんの小さな幸せでも強く感じ取れるからです。
ビル・ゲイツも若い頃、失敗を重ねてきました。
初めて起業した会社「トラフォデータ」は倒産しています。
それでも彼はこう言いました。
「成功の鍵は、成功から学ぶことより失敗から学ぶことだ」。
一方で、苦しみに押しつぶされる人もいます。
違いはどこにあるのか。
私は「苦しみをどう解釈するか」だと考えます。
苦しみを“終わり”と考える人は立ち止まります。
でも、苦しみを“次のステップへの準備”と考える人は動き続けるのです。
3. 解決策
では、どうすれば「楽あり苦あり」を自分の成長に変えられるのでしょうか?
ここでは3つのステップにまとめます。
(1)今の「苦」を正しくラベリングする
苦しいとき、人は「なぜ自分だけ」と感じがちです。
しかし、冷静に「これは試練なのか?それともただの偶然なのか?」と問いかけてください。
心理学者マーティン・セリグマンは、困難を「一時的なもの」と捉える人ほど回復が早いと言います。
「この苦しみは永遠ではない」と認識するだけで、心が軽くなります。
(2)小さな「楽」を意識して増やす
楽しいことが訪れるのを待つだけでは、苦しさは強調されます。
だからこそ、自分で「楽」を見つける習慣が大切です。
イチローは毎日のルーティンを徹底しました。
同じ動作を繰り返すことで、わずかな成長を楽しんでいたと言います。
「大きな幸せは小さな満足の積み重ねだ」と考えたのです。
あなたも同じです。
コーヒーを一口飲んで「おいしい」と感じること、朝の青空を見て「きれいだ」と思うこと。
そういう瞬間を増やすと、苦しみの存在感が薄れていきます。
(3)「楽」を過信せず、「苦」を恐れない
楽しい時期は油断を呼びます。
トーマス・エジソンは「失敗は成功の途中だ」と言いましたが、その裏には油断しない姿勢がありました。
楽が続くときほど、次の苦に備える準備をしておく。
苦しい時期が来たときは「これは次の楽への投資だ」と思う。
この意識を持つだけで、心はずっと安定します。
4. 結論
「人生楽ありゃ苦もあるさ」。
この言葉は、ただの慰めではありません。
楽しい時期があるから、苦しい時期に耐えられる。
苦しい時期があるから、楽しい時期を心から味わえる。
エイブラハム・リンカーンは、数々の失敗を乗り越えて大統領になりました。
彼は「困難は人をつくる」と言っています。
これは真実です。
だから、今苦しいと感じているなら「次の楽への助走だ」と思ってください。
そして、楽しいときには「今の時間を最大限に味わおう」と決意してください。
わたしの考えですが──人生を豊かにする秘訣は、楽と苦を交互に味わう勇気を持つことだと思います。
苦しみから逃げず、楽しみを当たり前にしない。
その積み重ねが、あなたをもっと強く、そしてしなやかにしてくれます。
あなたは、今どんな時期にいますか?
楽の中にいるなら「次の苦に備える」。
苦の中にいるなら「次の楽を信じる」。
今日から、少しだけこの言葉を胸に置いてみませんか?
