おぢさんのつぶやき -山崎篤史ー

とうとう50代突入してしまいました。白髪が増えてきたおぢさんですが、たまに書き込もうかなぁと思います。

「思考の硬直は過信から始まる」野村克也に学ぶ柔軟な自己成長法

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自己を過大評価した瞬間から、
思考の硬直が始まる
野村克也が教えてくれる
“過信”
という名の落とし穴

 

 

自信は武器になる、でも過信は足かせになる

仕事で結果が出始めたとき、評価されはじめたとき、ある種の「錯覚」が私たちを包みます。

「自分はもう、十分わかっている」と。

その一歩先にあるのが、思考の硬直です。成長を止める“見えない壁”は、意外にも自分の内側にあります。

野村克也――日本プロ野球界の生ける伝説とも称されたこの名将は、華々しい成功の裏に、徹底した自己省察の人でもありました。

彼が遺した名言「自己を過大評価した瞬間から、思考の硬直が始まる。」は、いまもなお多くのビジネスパーソンの胸に突き刺さります。

 

 

なぜ「成功」が成長を止めてしまうのか?

人間は、本能的に「正解」や「安定」に惹かれます。

一度うまくいった方法を繰り返す。評価されたやり方を信じ続ける。

それ自体は悪いことではありません。しかし、それが「唯一の正解」だと思い込んだ瞬間に、思考は止まり、成長の余地がなくなってしまうのです。

特にキャリアを積んだ30代以降、仕事で得た“経験”が、逆に変化を拒む「壁」に化けることがあります。

野村氏は、選手やコーチに「自分を客観的に見る力」がなければプロとして生き残れないと繰り返し説きました。

過信は一種の麻薬です。自信の仮面を被って、静かに人の成長を蝕んでいきます。

 

 

野村克也の“ぼやき”に潜む鋭さ

野村氏の代名詞といえば“ぼやき”ですが、その中身は実に深い洞察に満ちていました。

「いい時にこそ、なぜ良かったかを疑え」

「負けには理由がある。勝ちにも理由がある。しかし勝ちは油断を生む」

彼は、選手に対して結果以上に「考えているか」「思考が柔軟か」に重きを置きました。

つまり、伸び悩んだときだけでなく、うまくいっている時こそ、むしろ危ない。

“自己評価”のズレがそのまま“成長のブレーキ”になることを、誰よりも知っていたのです。

 

 

イチローもまた、過信を拒んだ男だった

ここでもう一人、野村氏に匹敵する「思考の柔軟性」を体現した人物を紹介したいと思います。

イチローです。

彼は通算4,367安打という世界記録を樹立したにも関わらず、自身を「特別な才能のある人間ではない」と言い続けました。

成功のなかにあっても、自分を客観視し、慢心を拒み続けたのです。

「小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道」──

それはつまり、どんな場面でも“自分に満足しない”という姿勢です。

自己を過小評価する必要はありません。ただ、過大評価は必ずと言っていいほど、思考停止と停滞を呼びます。

 

 

なぜ「硬直思考」は現代社会にとって危険なのか?

VUCA(不確実・不安定・複雑・曖昧)の時代と言われて久しい今、もっとも求められるのは「柔軟な頭」です。

過去の成功体験や自信にしがみついている人ほど、新しいアイデアや人の意見に耳を閉ざします。

すると、時代に取り残される。

まさに野村氏の言う「思考の硬直」が、キャリアの停滞、場合によっては転落につながってしまうのです。

野村氏自身も、監督としてチームを率いるなかで、常に「前例にとらわれない発想」を意識していたと語っています。

「一流と呼ばれる選手ほど、変化を恐れない」──その信念が、多くの名選手を育てた根本にあったのでしょう。

 

 

自分の“現在地”を疑う勇気

過信とは、「自分を疑わなくなること」です。

あらゆる場面で、過去の自分が現在の判断を支配するようになります。

そして、今の自分が「最高」だと錯覚したとき、変化は止まります。

逆に、自分の思考に違和感を覚え続ける人ほど、常に前に進める。

「自分は今、思考停止していないか?」

「昔の成功体験にしがみついていないか?」

この問いを持ち続けるだけで、あなたの成長は再び加速します。

 

 

最後に:野村克也の「問い」に、どう答えますか?

野村克也は、若手からベテランまで、全選手に問いを投げかけ続けました。

「お前は、昨日と何が変わった?」

この言葉を胸に刻むだけで、過信は自ずと後退していきます。

思考が止まることの恐ろしさを知り、変わり続けることに誇りを持てる人だけが、時代を超えて活躍し続けられるのだと思います。

あなたは今日、昨日と何が変わりましたか?

その問いを忘れずに、また一歩、柔らかな思考で前に進みましょう。